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1.研究開発の目的

近年、地殻構造解明や海底鉱物資源の調査など、今後、多様化が予想される地球・海洋環境をテーマとした各種海洋調査に対するニーズが高まっているが、これらの調査研究については海洋の広範囲において、時系列的な調査が要求されている。
しかしながら、現在、これら調査研究のために使用されている自力航行型の潜水船や潜水機器には、動力源として主に鉛、亜鉛、ニッケル等の二次電池が使用されているが、重量や、スペース等の面で様々な制約があり、搭載出来る電池の量に限りがあることから、現在、1日1回、しかも数時間程度の限られた時間で局所的な調査活動を余儀なくされている。
本研究開発では、これら自力航行型の潜水船等が、海中において十分な調査研究のための作業時間を確保できる小型、軽量、高効率な機関としての高圧燃焼排ガス液化排出型外燃式海中動力源システムの研究開発を行い、海洋調査および造船技術の振興に資することを目的とする。

2.研究開発の概要

近年、地殻構造解明や海底鉱物資源の調査等地球物理的な総合観測研究及び海底堆積物、深海バイオテクノロジー等の海洋生物ないしは微生物の研究、夏には地球温暖化に端を発したCO2の挙動調査等の地球・海洋環境をテーマとした調査研究二ーズが多様化してきており、これらの調査・研究には長期間に渡る時系列的な調査を海洋の広範囲に渡って行うことが要求されている。
現在、こうした近年における海洋に関する調査研究ニーズを受け、以下の理由から大深度まで長期間連続使用可能な新しい型式の海中動力源に対する開発要求が高まっている。
1)現在、海洋環境の調査・研究のための調査手段に多用されている無索航行型の潜水船、潜水機種の動力源としては、主として鉛電池、亜鉛電池、ニッケル・カドミウム電池、鉄・ニッケル電池等の二次電池が使用されているが、船体規模や浮力面更には運動性能面等における制約から搭載可能な電池システム規模に限界があり、その結果連続使用時間が限られ1日1回数時間程度の、しかも限られた局所的な調査活動を余儀なくされている。
2)また上記とは別に、調査手段として、海上支援船からテザーケーブルを使用して動力供給を行う有索式潜水機種による方法もとられているが、この場合は、長時間連続使用できる反面、ケーブルが高価な上、潮流によってケーブルが受ける流体力の影響で動きが制限されたり、ケーブルがからまる複雑な地形・形状の海中や構造物の調査が困難であり、その結果やはり局所的な調査活動を余儀なくされると同時に海上支援船に給電を頼るため、その稼働が海上気象条件によって左右されてしまう。
3)上記の様に動力源に起因する制約から短時間的あるいは局所的調査活動を余儀なくされる現状の調査手段による限り、上述の様に多様化する海洋環境の調査・研究二ーズに満足に応えることは不可能であり、極めて非効率的な調査・研究活動しか展開できない。

 

 

 

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